和じゃない人の和顔施

 

仏教には

ありがとう、お陰様でと言う気持ちを伝えるための方法として

「無財の七施」というのがあるそうだ。

 

特にお金がなくても、日常生活レベルで実行できる7つの行動を指している。

 

その一つに「和顔施」というのがある。

優しい笑顔で人を和ませる方法である。

 

アメリカに来てからというもの、

「日本人は訳もなく笑っている」みたいな批判があることを知り、

やたらに不用意に笑わぬように戒めていた。

 

そんな私なのだが、

笑顔の効能の素晴らしさ、

「和顔施」の威力を

再確認してしまった昨今なのである。

 

 

 

 

娘のボーイフレンドには双子の兄がいる。

 

双子ではあるけど、二卵性のためか、顔も性格も全く違う。

 

弟は医学を目指し、兄はフィルムメイクの道を目指しているといった具合に、興味を抱いている事も全く違う。

 

 

”たった19分先に生まれてきただけで兄貴ズラする鼻持ちならないヤツ”っていう弟からの触れ込みと、

娘の友達からのネガティブな評価を聞かされていた私は

いったいどんなトンデモナイ兄が現れるのかと期待していた。

 

 

”人には添うてみよ”ということわざ通り、やはり人の言ってることはアテにならないことが多い。

 

いや、人それぞれの見解であるから間違いだとは言えないけど、

自分もその人たちと同じように思うかはまた別の話ってことだ。

 

 

 

どれほどまでに鼻持ちならないヤツなのか確かめてやろうと思っていた私は

完全に肩透かしを食らうことになった。

 

 

鼻持ちならないはずのヤツが、

それは、それは、いい顔して笑うのだ。

 

目が合うとそれこそ滲み出るようににっこりと笑う。

 

本当に他愛もないこと、

例えば彼が口ずさんでた歌声を聞いて、

”your voice is so nice! I like it!” などとコメントすると、

こんな些細なことでとっても喜んでくれて、また笑顔が滲み出てくる。

 

 

その湧き出る笑顔に当てられっぱなしの私なのである。

 

 

 

満面の笑顔を見せられて嬉しくない人はいない。

 

見せられたこっちは、その笑顔で心が和む。

これこそ「和顔施」だと思う。

 

 

 どんなに言葉で何か言われるより、なんだかずっと暖かく勇気がもらえるような気分になる。

 

 

「和顔施」

日本にはなんて素敵な教えがあるんだろう。

 

 

しかし、まさか、「和」の国の人ではない人から

「和顔施」をいただくことになるなんて!

 

これは、本当に想定外だった。

 

 

「和顔施」をアメリカの少年からいただいて、今更だけど気づく。

これは、人も自分も幸せになれる、とても身近で実用的な方法ではないか!

 

不用意に笑ってはいかんなど、トンデモナイ!

 

私にもできる「和顔施」をもっともっとやっていこう!

 

 

 

 

 

 

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